2022/09/10
快適な家づくりとは ~空調編~
こんにちは。建築工房いろはの大島です。
みなさん、家を建てるときも建てた後も、空調のことを考えたことはおありでしょうか?
実は、こだわりの工務店さんでもとても失敗されているのが「夏の空調」と言われるほど、
空調によって快適空間を作ることは大変なことです。
当たり前のことですが、夏は温度を下げて涼しく、そして冬は温度を上げて暖かくすることで、居住空間を快適にするのが空調の目的です。
「空調」という一つの言葉でまとめられていますが、季節によって目的は全く正反対なんですよね。
だからこそ、この相反する二つの空調をいかに高性能で補っていくかが、快適空間を作るための鍵を握っています。
今日は、快適空間を作るための空調に関するお話をしたいと思います。
空調の種類
空調には、
●部屋ごとにエアコンや扇風機などを置いて空調する「個別空調」
●1台の空調機器で家全体の温度を一定に保つ「全館空調」
の2種類があります。
全館空調ですと、写真のような小屋裏エアコンや床下エアコンがはやっていますね。
空気の特性として、温かい空気は上に、冷たい空気は下に集まります。
その特性を活かした空調方法なので、逆に言うと小屋裏エアコンは夏場だけ、床下エアコンは冬場だけしか稼働しません。
一方で弊社は・・
天井に埋め込んだ機械一台で家全体の温度を保つ「アメニティーエアコン」を採用しています。
快適な温度の考え方
快適空間を考える場合は、夏と冬とで考え方を変えるのがポイントです。
冬は、外気温が0℃だった場合、室内温度18~20℃で快適と感じますよね。
そのとき外と中との気温差は約20℃となります。
しかし、高性能の壁さえ作っておけば、冬は日射の熱の伝導や外壁の輻射熱で部屋の中もそこそこ暖かく感じられます。
一方夏は、外気温35℃、室内温度26~28℃くらいに設定されるかと思います。
その差は10℃いかない程度。
こうなると、吹き出す温度だけでなく風量の調整も必要となります。
さらに、冷たい風は壁を突き抜けて冷気を隣の部屋へ送り届けることができませんので、
家全体ではなく「個々の空間」で考えなくてはいけません。
個々の空間ごとの夏の空調の考え方
それでは実際にシミュレーションしながら夏の空調について考えてみましょう。
子ども部屋や寝室で一般的な6畳の洋室を例にとります。
6畳間で大体25m3ほどの体積となります。
そんな28℃の空間であれば、
温度差3℃ほど付けた25℃くらいの風が5回転くらいするのが理想ですね。
空調の理想値に対して、夏場は
・外からの日射 200W
・人の体温 100W
・テレビなどの家電 50W
・照明 20W
など、そこにあるだけでトータル370Wくらいの熱が発せられています。
そんな空間をマイナス10℃弱冷やすということは、簡単そうに見えて、結構難しいことです。
「アメニティーエアコン」でも難しい夏の空調を、
ダクトも無い小屋裏エアコンで空間を快適と体感できるところまで冷やすことはかなり厳しいこともお分かりいただけるかと思います。
いかがでしたでしょうか?
快適空間を作るのは最新家電と思われていた方もいらっしゃるかと思いますが、
実は家を建てる前でしたら、家電に頼らずとも「お家の性能」と「全館空調」によって
一年中快適な温度を保つことができます。
ぜひ、気になることや分からないことがありましたらいつでもお問い合わせくださいませ。